無料のパックを1日1回まとめて開けるだけで、75種のカードの8割は6日目にそろいました。
30日たつと、開けたカードの9割以上が、もう持っているカードでした。
そこで私は、拡張パックを待たずに、最初のパックそのものへ83種のカードを足しました。
私が制作した『背界の旅団』(スマホで遊べる、モンスターを率いて土地を奪い合うカードゲーム)は、6時間ごとに無料のパックが1つ届きます。カードは何種類あれば、毎日パックを開けるのが楽しいままでいられるのか。2万人ぶんの開封を計算した結果をもとに、カードを増やした理由を書きます。
この記事で分かること
- 1週間で、新しいカードに出会えなくなる:75種では、2日で半分、6日で8割がそろっていました。
- 拡張ではなく、最初のパックへ足した:新しい属性「光」「闇」を作り、12の種族を加えて159種にしました。
- 増やしすぎると、今度はそろわない:159種でも「45日でほぼそろう」に収まるよう、パックの中身の型を3つに分けました。
1日に24枚のカードを開ける
『背界の旅団』の無料パックは、6時間に1つ届き、4つまでためておけます。1日に1回アプリを開いてまとめて開ければ、1日4パック。1パックは6枚なので、1日に24枚のカードに出会えます。始めた日は、最初から4つたまった状態です。
今のパック(2026年10月16日に配信中の版)は、6枚のうち3枚が●(コモン)、2枚が■(アンコモン)、6枚目が★(レア)か☘(極レア)です。6枚目は8割が★、2割が☘。全部で75種、内訳は●25種・■19種・★23種・☘8種です。
毎日の無料パックと、ポイントで欲しいカードを選べる交換は、ポケポケ(ポケモンカードのスマホアプリ『Pokémon Trading Card Game Pocket』)の、12時間ごとに無料のパックを開けられる仕組みを参考にしました。無料でたくさん開けられるようにしたのは、カードを集める楽しさを、お金を払う人だけのものにしたくなかったからです。ただ、開ける数が多いほど、カードは早くそろいます。
2万人ぶん試算すると、1週間でそろう
どのくらいでそろうのかを、2万人のプレイヤーがパックを開け続けたとして計算しました(毎回同じ結果になるよう乱数の種を固定し、最長365日まで)。開けるたびにたまるポイントで、持っていないカードを1枚ずつ選んで手に入れる「交換」も含めた値です。
| 開け方 | 30日のパック数 | 半分(38種) | 8割(60種) | 全75種 |
|---|---|---|---|---|
| 12時間ごとに開ける | 122 | 2日 | 6日 | 25日 |
| 1日1回、全部開ける | 120 | 2日 | 6日 | 25日 |
| 週5日、全部開ける | 88 | 2日 | 8日 | 33日 |
| 3日ごとに全部開ける | 40 | 4日 | 16日 | 73日 |
日数は、2万人の真ん中の人の値です。毎日開ける人は、2日目に半分、6日目に8割、25日目に全部がそろいます。1日1回開ける人の30日目では、開けたカードの91%がすでに持っているカードでした。デッキに入れられる上限を超えて余るカードは、1人あたり約500枚です。
つまり、始めて1週間もすると、パックを開けても知っているカードしか出てこなくなります。☘の1枚を待つ楽しみは残りますが、パックを開けるたびに「これは何だろう」と手が止まる瞬間は、最初の数日で終わってしまいます。
「同じカードばかりが出て、ワクワクしない」
これは、私自身が遊んでいて感じたことです。数字を見る前から、パックを開けるのが作業になっていました。
カードゲームでは、新しいカードは拡張パックとして後から出すのが普通です。ただ、拡張を待つ間も、始めたばかりの人は75種の中で同じカードを引き続けます。そこで、最初のパック「背界王の覚醒」そのものに、カードと種族と属性を足すことにしました。
足したものは次のとおりです。
- 火・水・土・風の4つの属性に、2つずつ新しい種族(8種族)
- 新しい属性の光と闇を作り、2つずつ種族(4種族)
- ほかの種族と組み合わせて使う「ビースト」6体と、光・闇の魔法8枚
1つの種族は、ふつうのモンスター4種類と、種族をまとめる「ロード」1種類が基本です。こうして83種が加わって158種になり、そのあとサウナ好きの妖精トントゥに7体目を足して159種になりました。新しいカードは、審査中の次の版から手に入ります。
増やしすぎると、今度はそろわない
種類を2倍にすれば、1種類あたりの出やすさは半分になります。159種では、★の1枚が1パックに入る平均は2.43%、☘は1.14%です。毎日開けても、なかなかそろわないカードが出てきます。
そこで、そろう速さの目安を先に決めました。「☘を除くカードのうち、足りないのが5種以内になる人が、9割以上いること」です。75種のときは30日で測っていましたが、158種で同じ30日にすると、届く人は8.6%しかいませんでした。レア度を付け直して1枚ずつを出やすくする方法もありましたが、私はカードのレア度はそのままにして、期間を45日(180パック)へ延ばすほうを選びました。
あわせて、パックの中身を先に「型」で決めるようにしました。
| パックの型 | 出る割合 | 6枚の中身 |
|---|---|---|
| ふつう | 75% | ●●●■■★ |
| 極レア・今まで通り | 15% | ●●●■■☘ |
| 極レア・新規 | 10% | ●●■■★☘ |
☘が出るパックは、今までと同じ25%です。そのうち10%は●が1枚減って★と☘が両方入る、少し豪華なパックになります。この形で計算すると、45日で足りないのが5種以内の人は90.3%。そのあと何枚かのレア度を見直した版では、ほぼ全員が届く計算になりました。
増やす前と、増やした後
| 項目 | 75種のとき | 159種のとき |
|---|---|---|
| 属性 | 火・水・土・風の4つ | 光・闇を足した6つ |
| 種族 | 11 | 24 |
| パックの中身 | ●3・■2・6枚目が★か☘ | 先に3つの型から1つを引く |
| そろう目安 | 30日で、☘以外が5種以内の不足 | 45日で、☘以外が5種以内の不足 |
| 8割そろうまで(毎日開ける人) | 6日 | 未計測(次の版で測ります) |
カードを増やしたことで、種族の強さのつり合いを測り直す仕事も増えました。その話は「1万6千試合の総当たりで、24の種族の強さを測った」に書いています。
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