モンスターコレクションの「終わり」は、一度ではありませんでした。
2003年12月を最後に、新しいカードセットは4年半以上も出なくなりました。
2014年に展開が一区切りになったのは、販売を任されていた会社との契約が満了したためでした。
1997年に発売された国産のカードゲーム『モンスター・コレクション』(モンコレ)。90年代の終わりから2000年代にかけて遊んだ人の中には、「いつの間にか店で見なくなった」と覚えている人も多いはずです。モンコレはいつ始まり、どう続き、なぜ終わったのか。発売から今までを、年を追ってたどります。
この記事で分かること
- 売る会社が3度変わった:富士見書房、ブロッコリー、ブシロードと販売元を移しながら、止まっては戻ってきました。
- 2014年の終了は契約の満了:ブシロードの展開は、販売委託契約の満了で「悠久のハルシオン」を最後に一区切りになりました。
- 終わったあとも続いている:2017年の20周年セット、2019年の『モンスター・コレクションDeus』を経て、2027年夏に30周年の新作が予定されています。
1997年、富士見書房から始まった
モンスター・コレクションは、ゲーム制作集団のグループSNEが作り、1997年9月に出版社の富士見書房(今のKADOKAWA)から発売されたトレーディングカードゲームです。グループSNEは、ゲーム『ダンジョンズ&ドラゴンズ』を遊んだ記録から小説『ロードス島戦記』を生んだ、ファンタジーのゲームを得意とする集団です。その流れはエルフはなぜ耳が長い?で書きました。
遊び方は、地形のカードを並べて作った地図の上をモンスターの部隊が進み、相手の本陣を攻め落とす陣取りです。モンスターは火・水・土・風・聖・魔の6つの属性に分かれ、カードのために作られた独自の世界「六門世界」に住んでいます。仕組みはモンコレの進軍、世界は六門世界とはで詳しく解説しています。
2000年1月から12月には、テレビ東京系でアニメ『六門天外モンコレナイト』が放送され、7月15日には劇場版も公開されました。小説や漫画も数多く出て、カードの外にも世界が広がっていきます。
2000年、ルールを見直した「モンスター・コレクション2」
2000年9月からは『モンスター・コレクション2』が始まりました。ルールとカードの書き方を見直し、新しいスターターを出し直した版です。それまでのカードの一部は、書き方を改めた文と新しいイラストで収録し直されました。ルールの変更で弱くなったカードは出やすくして、手に入れやすくしています。
2002年9月の「六王国の戦火」では、決まった範囲のカードセットだけでデッキを組む「ブロック制」が入り、パックも10枚入りになりました。そして2003年12月10日、「聖王の刻印」が発売されます。
2003年12月、新しいカードが途絶えた
「聖王の刻印」を最後に、新しいカードセットは出なくなりました。次の新セットが出るのは2008年7月。4年半以上、モンコレは新しいカードの出ないゲームになります。
私は1997年、小学5年生のときにモンコレに出会いました。大学生になったら思い切りカードを買おうと決めていたのに、2005年に大学生になったときには、新しいカードの発売が止まっていました。そのころの記憶は原点の記憶に書いています。ちょうど、この空白の時期だったのです。
2008年、10周年でブロッコリーと戻ってきた
2008年7月26日、発売10周年を記念した新しいカードセット「神霊獣の咆哮」が発売されました。カードやグッズを手がける会社、ブロッコリーとの協力で作られたセットです。カードのデザインが変わり、いちばん出にくい「極稀」のカードはホログラムになりました。
2009年には商品の展開が本格的に再開し、8月からは名前を『モンスター・コレクション・トレーディング・カード・ゲーム』と改めて、ブロッコリーが販売元になります。ブロッコリー版の最後のブースターは、2011年2月18日の「暗黒卿の秘儀」でした。
2011年、販売元がブシロードに移った
2011年4月1日、販売元をブロッコリーからブシロードへ移すことが発表されました。ブシロードは、カードゲームを手がける会社です。7月末までの移行期間を経て、8月からブシロードの取り扱いになりました。
ブシロード版は、2011年8月6日発売の2つのトライアルデック「火竜」「剣姫」から始まります。ルールの書き方を整理して全体を簡単にし、以前と同じ名前のカードも性能を変えて収録しました。ブロック制を軸に、新しいカードセットが3年近く出続けます。
2014年、販売の契約が満了して一区切りに
2014年3月31日、ブシロードは、販売委託契約の満了のため、5月30日発売のブースターパック「悠久のハルシオン」を最後にモンコレの展開を一区切りにすると発表しました。以後の権利は、グループSNEとKADOKAWAが持つことになります。ブシロードはこの告知で、3年間にわたって販売と運営を担えたことを光栄だと述べています。
そのあとは、支えが少しずつ外れていきました。ショップ大会は2015年3月末まで続き、ルールの問い合わせへの対応は2015年6月30日に終わります。2016年5月31日には、不良品への対応と景品の交換も終わり、ブシロードによるすべてのサポートが終了しました。ブシロード版の公式サイトは、2017年3月31日に閉じられています。
「モンコレはいつ終わったのか」と聞かれたら、新しいカードが売られる商品としての展開は、2014年5月の「悠久のハルシオン」が区切りです。ただ、話はここで終わりません。
2017年、20周年で戻ってきた
ブシロード版のサイトが閉じる前日の2017年3月30日、KADOKAWAから『モンスター・コレクションTCG 20th Anniversary』のブースターパック「太陽の金の竜姫」「月の銀の魔狼」が発売されました。1パック350円(税抜)で、カードは150種類。懐かしいイラストと描き下ろしのイラストが入り、1箱で全種類がそろうように作られています。プレイヤー自身を表す「召喚術師」のカードも復活しました。
その後も、形を変えた作品が続きます。
- 2018年2月2日:人気のイラストを使った、デッキを組みながら遊ぶボードゲーム『モンコレデックビルディング:エレメンタル・ストーム』。
- 2019年5月17日:『モンスター・コレクションDeus』。パックを買い集めるのではなく、1つの商品に遊ぶためのカードがすべて入った対戦型のカードゲームです。戦場にある3つの「前線地形」を占領すれば勝ちになります。
- 2020年3月13日:Deusに新しい勢力とカードを足す「双星のシャンバラ」。
2027年夏、30周年の新作へ
2026年12月5日には、グループSNEの主催で、20周年セットとDeusのカードを使う全日本選手権が大阪で開かれる予定です。グループSNEは、この組み合わせで行う最後の全日本選手権だとしています。
そして30周年にあたる2027年の夏、『モンスター・コレクションLCG(リミテッドカードゲーム)』として生まれ変わる予定が発表されました。2026年12月ごろにはクラウドファンディングを始め、発売後の2027年と2028年には全日本選手権を開く予定です。(2026年10月時点の予定です)
「最強のカード」は、時代ごとに違う
「モンコレの最強カードはどれか」という話は、遊んだ時期によって答えが変わります。モンスター・コレクション2でルールが見直されたときも、ブシロード版で同じ名前のカードの性能が変わったときも、カードの強さの基準そのものが動いたからです。
強いカードには、たいてい重い条件が付いていました。攻撃力10の代わりに道を外れると手札をすべて失う大砂蟲や、攻撃力7なのに自分の本陣にさえ呼べないオーガ・パワーブラザーズが、その代表です。版ごとの変化も、それぞれの記事で書きました。
年表:モンスター・コレクションの30年
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 1997年9月 | 富士見書房から発売 |
| 2000年 | アニメ『六門天外モンコレナイト』放送(1月〜12月)、9月に『モンスター・コレクション2』開始 |
| 2002年9月 | 「六王国の戦火」でブロック制を導入 |
| 2003年12月 | 「聖王の刻印」。ここから新しいカードセットが途絶える |
| 2008年7月 | 10周年記念の「神霊獣の咆哮」でブロッコリーと再開 |
| 2009年8月 | ブロッコリーが販売元になり本格的に再開 |
| 2011年8月 | 販売元がブシロードに移る |
| 2014年5月 | 販売委託契約の満了で、「悠久のハルシオン」を最後にブシロードの展開が一区切り |
| 2016年5月 | ブシロードによるすべてのサポートが終了 |
| 2017年3月 | KADOKAWAから20周年記念のブースターパック |
| 2019年5月 | 対戦型カードゲーム『モンスター・コレクションDeus』 |
| 2027年夏(予定) | 30周年の『モンスター・コレクションLCG』 |
モンコレは、止まっては出し手を変えて戻ってくることを、30年近く繰り返してきました。ポケモンカードや遊戯王OCGと並んだ1990年代のカードゲームの流れは、TCGの歴史でまとめています。
『背界の旅団』が受け継いだもの
私が制作したカードゲーム『背界の旅団』は、モンコレで遊んだ体験から生まれました。受け継いだのは、土地を進むことと、対抗の読み合いです。双方の本陣と6つの土地を並べた短い戦線を、土地ごとの上限に合わせて部隊を組み替えながら進みます。戦いでは、魔法を相手の宣言に交互に重ね、最後に出した一手から順に効いていきます。読み合いの仕組みはモンコレの魅力は対抗合戦で比べました。
新しいカードが止まったあの時期に遊べなかった続きを、今の遊び方で味わえるようにしています。ゲームの世界設定やカードは独自に作ったもので、『モンスター・コレクション』の公式作品・派生作品ではありません。
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