土地カードとは?マナになる土地と、戦場になる土地

マジック:ザ・ギャザリングの土地は、1ターンに1枚しか出せません。
デュエル・マスターズでは、どんなカードでも、裏返しに置けば資源になります。
そしてモンスターコレクションの土地は、資源ではなく、部隊が歩いて進む地図そのものでした。

カードゲームの「土地」と聞いて思い浮かべるものは、遊んできたゲームによってまるで違います。カードを使うための燃料なのか、モンスターが立つ場所なのか、場の空気を変える舞台なのか。6つのカードゲームの公式ルールで、土地と場所のカードの役割を比べてみます。

この記事で分かること

  • 土地には「資源」と「戦場」の2つの系統がある:マジックの土地はマナを出し、モンコレの地形は部隊が進む地図になります。
  • 資源の土地には「事故」がつきまとう:土地が来ない、土地ばかり来る。マジックの開発者もこの弱点に触れています。
  • モンコレにも「どのカードでも土地にできる」仕組みがあった:山札の一番上を裏向きに置く「代理地形」です。

マジック:土地は、毎ターン1枚ずつ置く資源

マジック:ザ・ギャザリング(1993年にアメリカで生まれたトレーディングカードゲーム)の総合ルールは、マナを「ゲームの主な資源」と定めています。そのマナを出すのが土地です。平地・島・沼・山・森の5つの基本土地は、それぞれ白・青・黒・赤・緑のマナを1つ出します。

土地は、自分のメインフェイズに1ターン1枚まで出せます。呪文のように打ち消されることはなく、出した土地は場に残り続けるので、ターンを重ねるほど使えるマナが増えていきます。毎ターン1枚という歩みが、軽いカードから重いカードへと進んでいくゲームの時計になっています。

この仕組みには、よく知られた弱点があります。土地が手札に来ずに何もできない「マナ・スクリュー」と、土地ばかり来て使うカードがない「マナ・フラッド」です。日本では「土地事故」と呼ばれます。マジックの主任デザイナー、マーク・ローズウォーターは、試作したゲームで新しく遊ぶ人が毎回マナ・スクリューに陥ったことを書いています。また開発者のサム・ストッダードは、マナ・フラッドを資源の仕組みの中で人が苛立つところとして挙げ、能力を持つ土地でそれを和らげる考えを書いています。

デュエマ・ONE PIECE・ポケモン:資源を、土地から切り離す

デュエル・マスターズ(タカラトミーが発売しているトレーディングカードゲーム。デュエマ)は、資源を土地に頼りません。毎ターンの「マナチャージ」で、手札のどのカードでも1枚を逆さにしてマナゾーンに置けば、そのカードがマナを出します。要らないカードが資源になるので、土地が来ないという事故は起きません。デュエマにも「土地」という種類のカードはありますが、マナゾーンにある間に効果を出すもので、マナの出し手ではありません。

ONE PIECEカードゲーム(漫画『ONE PIECE』のカードゲーム)は、資源をデッキの外へ出しました。デッキ50枚とは別に、ちょうど10枚の「ドン!!デッキ」を用意し、毎ターン2枚ずつ(先攻の1ターン目だけ1枚)場に置きます。引き次第で資源が足りなくなることは、そもそも起こりません。

ポケモンカードゲームの資源は、ポケモンにつける「エネルギー」のカードです。自分の番に1枚だけつけられます。エネルギーは山札に入っているので、来ない・来すぎるの揺れは残ります。

ポケモン・遊戯王・ONE PIECE・デュエマ:「場所」を表すカード

資源とは別に、「どこで戦っているか」を表すカードを持つゲームもあります。

ポケモンカードの「スタジアム」は、場に出すとお互いのプレイヤーとポケモンに効果を与え続けます。場に出ているスタジアムは1枚だけで、どちらかが別のスタジアムを出すと、前のものは捨てられて入れ替わります。相手の出した舞台を、自分の舞台で塗り替える奪い合いです。

遊戯王オフィシャルカードゲーム(遊戯王OCG)の「フィールド魔法」は、専用のフィールドゾーンに置かれ、フィールド全体に効果を及ぼすものが多いカードです。各プレイヤーが自分のフィールドゾーンを1つずつ持ちます。ONE PIECEの「ステージ」も、自分のステージエリアに1枚だけ置ける場所のカードです。デュエマにも、バトルゾーンに出す「フィールド」があります。

ただ、どれも場の空気を変える1枚で、モンスターがその上を歩いて移動するわけではありません。

モンコレ:土地は、部隊が進む地図だった

1997年に出た国産のカードゲーム『モンスターコレクション』(モンコレ)では、土地の意味がまったく違いました。2人のあいだに縦3列・横4行、12か所の戦場があり、そこへ地形カードを置いて地図を作ります。戦場は両プレイヤーに共通の場所で、手前の6か所が自分の領土です。モンスターの部隊は、この地図の上を隣の土地へと進軍していきます。

地形カードには「リミット」という数字があり、その土地にいられるモンスターのレベルの合計の上限になります。土地は資源ではなく、部隊を何体連れて行けるかを決める「器」でした。本陣は特別で、ゲームの始めに山札の一番上の1枚を裏向きのまま置き、リミットは10と決まっています。

地形カードはモンスターや魔法と同じ1つの山札に入っていて、メインフェイズに手札から置けます。すでに地形がある場所へ置けば、前の地形を捨てて置き直せます。面白いのは、手札に地形がないときの「代理地形」です。山札の一番上を裏向きのまま地形として置けて、リミットは8。1回のメインフェイズに1つだけですが、どんなカードでも土地にできるという点で、デュエマのマナチャージに通じる考え方です。

6つのゲームを並べると

ゲーム資源場所のカード
マジック:ザ・ギャザリング土地(1ターン1枚、デッキに入れる)土地そのものが能力を持つこともある
デュエル・マスターズどのカードでも1ターン1枚マナへフィールド
ONE PIECEカードゲームデッキとは別のドン!!デッキ10枚ステージ(1枚まで)
ポケモンカードゲームエネルギー(1番に1枚つける)スタジアム(場に1枚、入れ替え)
遊戯王OCG資源のカードはないフィールド魔法
モンスターコレクション(土地は資源ではない)地形カードで作る3列×4行の地図。山札の一番上を代理地形にもできる

資源の土地と戦場の土地を比べて語った公式の発言は見つかりませんでした。私の見方では、資源の土地は「いつ何を出せるか」を決め、戦場の土地は「どこへ誰を連れて行けるか」を決めます。前者は時間の制約、後者は場所の制約です。

『背界の旅団』は、土地をデッキから外した

私が制作したカードゲーム『背界の旅団』の土地は、モンコレと同じく戦場の土地です。両軍の本陣のあいだに6つの土地が並び、部隊はその上を進軍します。土地ごとの上限(その土地にいられる自軍のレベルの合計)は、モンコレのリミットの考え方を受け継いでいます。

違うのは、土地カードをデッキに入れないことです。両軍が共有する6枚の土地カード(道3枚・背界2枚・沼1枚)が、対戦ごとにランダムに並べられます。上限は道が4、背界が5、沼が3。本陣は両軍とも5です。土地そのものに能力はなく、カードの数字だけが、連れて行ける部隊の大きさを決めます。

『背界の旅団』のカード「背界竜アイランド」 『背界の旅団』のカード「ゲイル・ドレイク」
『背界の旅団』の背界竜アイランド(レベル4)と、ゲイル・ドレイク(レベル2)。上限3の沼には、レベル4の竜は入れません。どの土地を通って攻め込むかが、毎回の地図の並びで変わります。App Storeで遊ぶ(無料)

土地をデッキから外したことで、土地事故は起きません。資源もいりません。召喚にはコストがなく、本陣の上限だけが、一度に呼べるモンスターを縛ります。そして土地の並びが毎回変わるので、同じデッキでも、どこに上限の小さな沼があるか、どの道から攻め込むかで戦い方が変わります。

モンコレのように地形を自分で置いて地図を作る楽しさは、手放しました。その代わりに、スマートフォンで一戦を短く遊べること、そして毎回ちがう地図の上で部隊を組み替える判断を残しています。詳しくは『背界の旅団』の公式サイトをご覧ください。

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参考資料

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