手札は何枚まで持てる?上限のあるゲームと、6枚まで戻る補充

マジック:ザ・ギャザリングでは、自分の番の終わりに手札が8枚あると、1枚を捨てなければなりません。
ポケモンカードゲームには、手札の枚数の上限がありません。
そしてモンスターコレクションでは、カードを1枚ずつ引くのではなく、毎回6枚まで手札を「戻し」ました。

手札は、プレイヤーが次に打てる手の数そのものです。何枚まで持てるのか、どうやって増えるのか。この決まりが、ため込む遊び方を許すか、使い切る遊び方を促すかを分けています。6つのカードゲームの公式ルールを並べてみます。

この記事で分かること

  • 上限は「持てない」ではなく「番の終わりに捨てる」:マジックも遊戯王も、番の途中なら上限を超えて持てます。
  • 上限のないゲームは、別のところで減らしている:デュエマは毎ターン手札を1枚資源へ回し、ポケモンカードは手札を全部捨てて引き直すカードを使います。
  • 「上限まで補充」という増やし方がある:モンコレは使った分だけ手札が戻り、要らないカードは自分で捨てられました。

マジックと遊戯王:上限を超えたら、番の終わりに捨てる

マジック:ザ・ギャザリング(1993年にアメリカで生まれたトレーディングカードゲーム)の総合ルールでは、最大手札枚数は通常7枚です。ただし、手札は何枚持っていてもかまいません。自分の番の最後の「クリンナップ・ステップ」で、7枚を超えた分だけ捨てます。捨てるのは番を終える人だけなので、相手の番の間は8枚以上持っていても問題ありません。

最初の手札は7枚で、毎ターン1枚ずつ引きます。上限そのものを外すカードもあり、たとえば土地カード『聖遺の塔(Reliquary Tower)』は「あなたには最大手札枚数がない」とだけ書かれています。上限は、カードで変えられる「普段の決まり」なのです。

遊戯王オフィシャルカードゲーム(遊戯王OCG)は、上限が6枚です。最初の手札は5枚で、毎ターン1枚ドローします。番の最後のエンドフェイズに手札が7枚以上あれば、6枚になるように捨てます。マジックと同じく、番の途中では上限を超えて持てます。

デュエマ・ポケモン・ONE PIECE:上限がない

デュエル・マスターズ(タカラトミーが発売しているトレーディングカードゲーム。デュエマ)の総合ゲームルールには、はっきりと「手札の上限はありません」と書かれています。最初の手札は5枚、毎ターン1枚ドロー。そのうえ、相手にシールドを割られると、そのカードが手札に加わります。攻められるほど手札が増える仕組みです。

上限がなくても、手札が増え続けるわけではありません。デュエマでは毎ターン、手札から1枚をマナ(カードを使うための資源)として置く「マナチャージ」があり、引いた1枚と置いた1枚で、手札は差し引きで増えにくくなっています(これは私の見方です)。

ポケモンカードゲームも、公式の遊び方に「手札の枚数に制限はありません」とあります。最初の手札は7枚で、番の最初に山札を引きます。その一方で、特に指示がない限り、手札を自分で捨てることはできません。手札を入れ替えたいときは、「博士の研究」のように手札をすべて捨てて山札を7枚引くサポート(1番に1枚だけ使える強力な補助カード)を使います。

ONE PIECEカードゲーム(漫画『ONE PIECE』のカードゲーム)の総合ルールにも、手札の上限の決まりはなく、番の終わりに捨てる手順もありません。最初の手札は5枚で、毎ターン1枚ドロー。リーダー(プレイヤーの分身)がダメージを受けると、ライフのカードが手札へ移ります。デュエマと同じく、攻められた側の手札が増えるゲームです。

なお、デジタルのカードゲーム『ハースストーン』は手札が10枚までで、満杯のときに引いたカードは、両者に見せられたうえで破壊されます(公式の説明ではなく、遊ぶ人たちのまとめで確かめた内容です)。

モンコレ:毎回、6枚まで戻す

1997年に出た国産のカードゲーム『モンスターコレクション』(モンコレ)は、増やし方そのものが違いました。総合ルールでは、手札の上限は6枚。そして番の中に「手札調整フェイズ」が2回あります。番の最初と、番の最後です。

手札調整フェイズでは、まず上限を超えた分を捨て、次に要らないカードを好きなだけ捨て、最後に6枚になるまで山札から補充します。1枚ずつ引くのではなく、使った分だけ6枚まで戻る。3枚使えば3枚、1枚も使わなければ1枚も引けません。ゲームの準備でも、手札は6枚になるまで補充して始めます。

この形では、カードを出し惜しみしても得がありません。手札を使い切るほど、次の補充でたくさん引けます。そして要らないカードを自分で捨てられるので、腐ったカードを抱えたまま動けなくなることもありません。

6つのゲームを並べると

ゲーム最初の手札手札の増え方上限
マジック:ザ・ギャザリング7枚毎ターン1枚7枚(番の終わりに超えた分を捨てる)
遊戯王OCG5枚毎ターン1枚6枚(番の終わりに超えた分を捨てる)
デュエル・マスターズ5枚毎ターン1枚、割られたシールドなし(毎ターン1枚をマナへ置く)
ポケモンカードゲーム7枚番の最初に1枚、サポートで引き直しなし(自分では捨てられない)
ONE PIECEカードゲーム5枚毎ターン1枚、受けたダメージのライフなし
モンスターコレクション6枚番の最初と最後に、6枚まで補充6枚(要らないカードは好きなだけ捨てられる)

上限の理由を公式に説明しているゲームは見つかりませんでした。私の考えでは、上限は「ため込んで一気に使う」遊び方に歯止めをかけ、番の終わりに何を残すかを選ばせる仕組みです。上限まで補充する形は、その考えをもう一歩進めて、「使った分だけ戻るから、出し惜しみしなくていい」と背中を押しています。

『背界の旅団』は、モンコレの補充を受け継いだ

私が制作したカードゲーム『背界の旅団』は、モンコレの「6枚まで戻す」をそのまま受け継いでいます。手札の上限は6枚で、自分の番の始めと終わりに、6枚になるまで山札から補充します。6枚を超えて引くことはありません。

なぜ、毎回6枚まで補充するのか

1枚ずつ引くのではなく、毎回6枚まで戻すことにした理由は2つあります。

1つ目は、サーチのカードに頼らなくても遊べるようにするためです。ONE PIECEカードゲームやポケモンカードゲームでは、番ごとに引けるのは1枚です。だから、山札から欲しいカードを探して手札に加える「サーチ」のカードが大事になり、デッキの何枚かをその役目に割くことになります(サーチの役割はTCGのサーチとは?で詳しく書きました)。『背界の旅団』は、スマートフォンで気軽に楽しめるように、デッキを30枚と少なくしています。その少ない枠を、手札を整えるためのカードに使ってほしくありませんでした。サーチのカードを入れる手間を省き、ゲームの本質に集中してもらう。そのために、手札は自動で6枚まで戻るようにしました。

2つ目は、このゲームの醍醐味が「進軍」と「対抗」にあるからです。どの土地へ誰を送り込むか、攻め込まれたら手札の援軍と魔法でどう返すか。その読み合いは、手札にカードがそろっているときにいちばん楽しくなります。手札が1、2枚しかなく、打てる手がない番を減らしたい。毎回6枚まで戻るのは、毎回の番で選べる手を残しておくための判断です。

番の始めにも補充するのには意味があります。相手の番の間も、攻め込まれた戦いで手札から援軍を呼んだり、魔法で対抗したりして、手札は減ります。守りで使った分は、自分の番の始めに戻るのです。

手札は、戦闘中でなければ自分の番にいつでも何枚でも捨てられます。捨ててもその場では引かず、次の補充で6枚まで戻ります。要らない魔法を捨てて、次の補充に賭ける。モンコレの手札調整を、画面の上でいつでもできる形にしました。

『背界の旅団』のカード「リザードマン竜騎兵」 『背界の旅団』のカード「オーフェン」
『背界の旅団』のリザードマン竜騎兵(レベル2)と、オーフェン(レベル2)。手札は6枚まで。使い切るほど、次の補充でたくさん引けます。App Storeで遊ぶ(無料)

ほかにも2つ、手札が戻る場面があります。1つは、相手の旅団長(守り抜けば勝ち、すべて倒されれば負けになる大将)を倒したとき。倒した側の手札が6枚まで補充されます。もう1つは対戦の始めで、先に動く先手は4枚、後手は6枚から始めます。先に動ける得を、最初の手札で埋めているのです。

そして、山札がなくなっても負けにはなりません。補充が止まるだけです。手札を使い切ったら、あとは盤面の部隊だけで戦い抜く。対戦は12巡で終わるので、山札の残りより、手札を何に使うかの方がずっと大事になります。詳しくは『背界の旅団』の公式サイトをご覧ください。

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参考資料

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