この世界の大地は、眠っている巨大な竜の背中です。
人々はその背に国を築き、一族ごとに旗を掲げてきました。
そして戦いに敗れた一族は、自分たちの旗を降ろして勝者へ渡します。千年続くこの習わしの本当の意味を、もう誰も知りません。
私が制作したカードゲーム『背界の旅団』は、そんな竜の背の世界を舞台にしています。この世界では、一族を率いる「旅団長」どうしの戦いが、何度も繰り返されてきました。なぜこの世界では、旅団長どうしが戦い続けるのでしょうか。公式サイトで紹介している世界の説明と、アプリで遊べる物語の第1話「初陣」に出てくる内容から、この世界の決まりをたどります。
この記事で分かること
- 戦の決着は、旗で付ける:負けた一族は旗を降ろして勝者に渡す。これが千年続く習わしです。
- 旗を賭けるのは、一族の長:物語の第1話では、オークの大族長が自ら戦場に出て、はじめて旗が賭けられます。
- 世界の決まりが、そのままルールになっている:旅団長を守り、土地を進む遊び方は、この世界の戦の姿を映したものです。
大地は、眠る巨竜の背中
『背界の旅団』の世界には、ふつうの意味での大地がありません。人々が立っている地面は、眠り続ける巨竜の背中です。人々はその背の上に国を築き、そこで暮らしています。
竜の背には、いくつもの一族が住んでいます。一族はそれぞれ火・水・土・風のどれかの属性に属していて、属性ごとに得意なことが違います。火のオーク(力自慢の戦士の一族)とアント(蟻の一族)は、誰よりも力が強い。水のシーマン(海に暮らす魚人の一族)とリザードマン(トカゲの姿をした一族)は、生まれつき魔法の器を持っています。土のドワーフ(背は低いが頑丈な一族)とゴブリン(小鬼の一族)は、誰よりも打たれ強い。風のバードマンとハーピィ(どちらも翼を持つ一族)は、その羽で誰よりも速く動けます。
大地そのものである竜も、カードとして登場します。名前に「背界」を冠した竜たちで、どれも、レア度が最も高い極レアのカードです。
旗を降ろし、勝者へ渡す習わし
竜の背に住む一族は、それぞれ自分たちの旗を掲げています。一族どうしがぶつかったとき、決着を付けるのが旅団長どうしの戦い、「旅団長戦」です。
この戦いには、はっきりした決まりがあります。敗れた側は自分たちの旗を降ろし、勝った側へ渡すのです。この習わしは千年にわたって続いてきました。ところが、なぜ旗を渡すのか、その本当の意味を知る者は、今ではもう誰もいません。意味が忘れられたあとも、決まりだけは守られ続けている。この世界の戦いは、そういう習わしの上に成り立っています。
物語の主人公は、旗を持たない旅人です。プレイヤーはこの旅人として、旗を託され、旅団長戦に加わっていきます。
第1話:潮鳴りの村に、オークが上陸した
アプリで遊べる物語は、海辺にあるシーマンの村「潮鳴りの村」から始まります。ある日、村に火の匂いが流れ込み、近くの浜がオークの旅団で埋めつくされていきます。
そこへ通りかかったのが、主人公の旅人です。村の旗を守ってきた老旗手は、もう戦える体ではありませんでした。老旗手はよそ者の旅人に旗を託し、旗手として旅団を助けてほしいと頼みます。ここでプレイヤーは、自分の名前を入力します。名前を名乗った瞬間から、プレイヤーは村の旗を背負う旗手になるのです。
続いて現れるのが、大魔道士エリンゲです。エリンゲは物語の案内役で、旗手になった主人公に、旅団長戦のはじめ方を教えてくれます。最初に教わるのは「旅団長を選ぶこと」です。
オークはなぜ浜へ来たのか
攻めてきたオークたちは、火床と呼ばれる土地の一族でした。彼らはその土地を失い、新しく住む場所を求めて浜へ上がってきたのです。オークの長である大族長は、戦いの前に「住む土地を求めるのは、恥ではない」と語ります。
オークは、ただ村を荒らしに来た悪者ではありません。住む場所を失った一族が、新しい土地を求めて、習わしどおりの旅団長戦で道を開こうとしている。第1話の戦いは、そういう事情から始まります。
旅団長は、一族の旗を支える者
旅団長戦では、まず自分の側の旅団長を決めます。旅団長は軍の中心で、旅団長が倒されれば、その旅団は負けに近づきます。
第1話の2戦目で、老旗手は「旅団長の数を考えよ」と主人公に教えます。旅団長が増えれば、一人が倒れても旗は倒れない。旅団長を一人にすれば守る相手は少なく済みますが、倒されたらそこで終わりです。二人、三人と増やせば、一人を失っても戦い続けられます。その代わり、守らなければならない命も増えていきます。
続く戦いでは、左右の浜道から同時に攻め込んでくるオークに対し、本陣を空けずに軍を二つに分けて進みます。潮が満ちる前に浜の斥候隊を片づける戦いでは、本陣からではなく戦場へ直接駆けつけられる仲間の呼び方と、誰を先頭に立てるかの決め方を学びます。どれも、旅団長を守りながら土地を進むための判断です。
旗を賭けられるのは、一族の長
第1話では、浜で何度オークに勝っても、オークの旗は動きません。オークの旗は、一族の長である大族長が持っているからです。
斥候隊を退けたあと、オークの斥候が太鼓を三度鳴らします。大族長を呼ぶ合図です。主人公の戦いぶりを見た大族長は、自ら戦場に出て、その旗を賭けると告げます。ここで初めて、オークの旗が賭けられた旅団長戦が始まります。
この最後の戦いに勝つと、大族長は「作法に従おう」と言って、オークの旗を主人公に渡します。負けた側が、決まりどおりに旗を降ろして勝者へ渡す。千年続く習わしが、プレイヤーの目の前で実際に行われる場面です。
渡されたオークの旗は、そこへ現れた真珠王の使者が預かります。そして主人公は、海の上にある都へ呼ばれるところで、第1話は終わります。
だから、旅団長どうしが戦い続ける
ここまでをまとめると、この世界で旅団長どうしの戦いが続く理由が見えてきます。一族はそれぞれ旗を掲げ、ぶつかり合ったときは旅団長戦で決着を付ける。負けた一族は旗を渡す。住む土地を失ったオークのように、新しい場所を求める一族が現れれば、また旅団長戦が始まります。旗をめぐる習わしが千年変わらず守られてきたからこそ、戦いも繰り返されてきました。ただ、その習わしがなぜ生まれたのかは、この世界の誰も覚えていません。
世界の決まりは、そのままゲームのルール
『背界の旅団』のルールは、この世界の戦の姿をそのまま映しています。カードで遊ぶときにする判断が、物語の中の旅団長たちの判断と重なるように作りました。
対戦では、最初に召喚した1〜3体のモンスターが旅団長になります。召喚した仲間と一緒に土地を渡り、相手の旅団長をすべて倒せば勝ちです。盤面は、両軍の本陣と6つの土地を合わせた8つの土地でできていて、土地ごとに入れるモンスターのレベルの合計に上限があります。その土地の一つには、「背界」という名前が付いています。
| 世界の設定 | ゲームでの姿 |
|---|---|
| 竜の背に築かれた国々 | 本陣と6つの土地を合わせた8つの土地の盤面 |
| 一族の旗を支える旅団長 | 最初に召喚した1〜3体の、守るべきカード |
| 旗を降ろして勝者へ渡す習わし | 相手の旅団長をすべて倒せば勝利 |
| 旅団長が増えれば、一人倒れても旗は倒れない | 旅団長の数を選び、守りやすさと戦力を量る |
| 火・水・土・風の一族 | 属性と種族ごとに違う戦い方を持つカード |
| 大地そのものである竜 | 名前に「背界」を冠した極レアの竜のカード |
旗を託された旅人として
私が制作したカードゲーム『背界の旅団』は、プレイヤーが旗を託された旅人となって、竜の背の世界を進んでいくゲームです。第1話では、シーマンの村の旗を背負ってオークの旅団と戦い、旅団長戦の決まりを一つずつ覚えていきます。旅団長を誰にするか、何人にするか、どの土地へ進むか。物語の中で教わった判断が、そのまま対戦の手触りになっています。
74種のカードから30枚を選んで、自分だけの旅団を組むこともできます。詳しくは背界の旅団の公式サイトをご覧ください。
旗を託された旅人が、海の上の都で何を見るのか。アプリで物語の続きを遊べます。
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